ARCHITECTS' concept
空間のメリハリと視線の抜け
狭小住宅を広がりのある住まいに
本事例は、延べ床面積が約15坪の狭小住宅です。1階は、主寝室と子供室を配置して回遊性をもたせ、玄関から奥へ進むにつれて床レベルを徐々に下げることで、小さな家でありながら奥行きを感じられるようにもしています。床と机をつなげる、ロフトへのはしごの一部を本棚にするなど、建築と家具を一体化し、小さいスペースの中にも楽しい居場所をたくさん設けました。
敷地が都市部の狭小地であれば、視線の抜けを考慮することも重要です。近隣からの視線が気になる窓はできるだけ小さくし、その分、南側に2つの天窓(トップライト)を設けました。天窓からの光を階段を介して2階LDKへと導くとともに、プライバシーを守りながら視線の抜けも確保しています。ロフトに上がれば視線は、天窓(トップライト)を通して遠くまで広がっていきます。
小さな家では犠牲になりがちな水回り空間ですが、勾配天井に開閉する天窓(トップライト)を備えた2階北側の浴室は、それだけでも贅沢な空間となっています。熱と湿気を抜く機能性ももたせ、ロフトとの界壁に設けた小窓を開放すれば、最頂部で熱気などがこもりがちなロフト部分の空気も、浴室にある天窓へ流れるようにしています。